「お互い様の気持ち」で支える公共冷蔵庫
これまで、子ども食堂や食糧支援に関わる方々から、活動をしていく中でのお悩みを聞く機会がありました。切実な問題としては、せっかく生鮮食品を寄付してもらっても、保管場所がなくて困ったり、タイミングが合わなくて必要な人にうまく渡せなかったりすることが多くあるそうです。
そんな中、生活に困難を抱える親子のために、好きな時に食料品や日用品を受け取れる「公共冷蔵庫」を運営しているところがあると聞いて、早速視察に行ってきました。この取り組みは、コロナ禍の中、食料や日用品の支援が必要だという声が多く寄せられたことがきっかけで始まったそうです。地域のまちづくりに携わっている岡山県岡山市の北長瀬エリアマネジメントさんが、ドイツの「コミュニティ・フリッジ」を参考にしながら、日本向けに工夫を加えてスタートさせたものです。
この公共冷蔵庫では、寄付する人も、利用する人も登録制になっていて、いつでも安心して利用できるようになっています。さらに、地域の人たちが「お互い様」の気持ちで助け合う場として、食べ物や日用品だけでなく、色々な活動が行われています。例えば、美容師さんが受験や卒業シーズンに無料でカットを提供したり、学生ボランティアが子どもたちの誕生日会を企画したりと、みんなが自分の得意なことを活かして参加しています。地域のカフェのシェフや裁縫が得意な方々も、それぞれのスキルを活かして、食事の提供や学用品の手作りを手伝ってくれています。寄付を受け取った方から感謝のメッセージが寄せられるメッセージボードもあり、そこから新しいつながりも生まれています。
この取り組みは、災害時にも役立つかもしれないと考えられていて、石川県ではキッチンカーを使った実証実験も進められているそうです。視察を通じて、地域の支え合いがこんなにも具体的な形になっていることに感動しました。今年で4年目になるこの取り組みは、今全国各地に広がっています。ぜひ千葉市でも、こうした取り組みが採用され、地域のご近所さんが「お互い様」の精神で支え合える街になればと思います。
コミュニティフリッジのサイト:
https://communityfridge.jp/#top
#北長瀬エリアマネジメント
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